「紡ぐと繋ぐ」 第22期同友会大学(香川県中小企業家同友会主催) 第3講 極めて個人的レポート
高松で言葉のシャワーを浴びてきた。それも盛大に。
これが、帰ってきた直後、今の私の率直な感想です。
同友会大学ってなんだろう?という方が多いでしょうからざっくり説明すると、全国47都道府県にある中小企業家同友会の中でも幾つかの同友会が主催して開校しているもので、経営者にとってかなり濃い学びの場になりうるものです。おそらく。私も今年初めて受講なので、想像と受け売りの情報が混在していますが。
香川県中小企業家同友会による同友会大学の目的は次の通り;
1.時代の変化を読み取る大局観を養う。
2.具体的な問題を解決するための基礎的総合力な力を向上させる。
3.組織指導能力、教育力、人間力を高める。
あいにく私の所属する高知県中小企業家同友会ではこの同友会大学を開校していないため、欲求の赴くままに一人高松へ通ってみようじゃないか、となりました。と言いつつも、当初第1講・第2講は高知での行事と重なり欠席し、今日が初めての参加となりました。
記念すべき初めての同友会大学、今回の講師は島根県太田市にある 石見銀山生活文化研究所 代表取締役所長 松場登美氏で、演題は「足元の宝を見つめて暮らしを楽しむ 〜次世代へと紡ぐ価値あるもの〜」でした。
これから松葉氏の講演を聴くことになる方も多いことでしょうから、内容について詳細にレビューはいたしませんが、氏の講演はご夫婦の絆の強さ、人生(あるいは経営)で何を最も大切に捉えるかの本質的な問いかけ、そして実践に基づいたものだと感じました。松葉氏はおそらくたくさん読書をされておられるのでしょう。読んだことや、いろんなジャンルの人とのやり取りの中で紡ぎ出された言葉の本当の意味を捉えられ、まさに本質という統一感を纏ったパッチワークのごとく、ご自分のものにされている。そして、人一倍のご苦労があったからこその濃いお話として、講演ではたくさんの言葉に紡ぎ出されて降り注いでくるイメージです。高知県人としては四万十の新聞バッグや梅原誠さんのお名前が出たのも嬉しく思いました。
「あなたの腹の底にある、スタート時点のそもそもの核心は何?迷った時、道を見失いそうになった時、そこに立ち戻りなさい」
「事業としての成功よりも、人としての成功」
こういった、基本的だけれども見失いがちなことを大切にしながら、まず自分が何をすべきかを見極めるべきなのかなと。さらに、私たちは連綿と続く命のリレーの中に今存在してるわけで、自分たちだけ良ければ良いというものではなく、この人生でベストな何かを未来へ紡ぎ繋いでいかねばならない、とも感じました。
また、中小企業家同友会的視点で捉えると、群言堂(石見銀山生活文化研究所が運営するライフスタイルブランド)のこれまでの取り組みや、250年前の古民家を実に10年以上かけて改装した宿「他郷阿部家」のスタイルなど、さまざまな点から「エネルギーシフト」が体現されていると言えるでしょう。
私が考える中小企業家同友会の特色としては、ノウハウを伝授するセミナーのようなHow toものではなく、報告者による経営の報告を聴き、自社や自分に置き換え咀嚼してみて学ぶべき点に気づき、実践していくという一連の流れがあると思っています。だから同友会は「報告者」が報告するのです。今回は同友会大学という扱いですから「講師」「講義」とはなっていましたが、まさに経営報告から生きかたの本質論に到達するものでした。だから余計に面白かったんでしょうね。
一言たりとも聞き逃すまいと講義を聴くことに集中しすぎて、写真を撮ったりFacebookにリアルタイムで投稿するなど到底頭が回らなかったのが反省点でもありますし、それでいいのだ!とも思ったりしています。
そんな同友会大学、早くも次回が待ち遠しくなりました。
講師の松場様、運営されている香川県中小企業家同友会のご担当者様、ありがとうございました!