サンタさんの正体と「優しいお願い」
【2014/12/25(Thu)】
2014年。今年のクリスマスイブは次男の件で小学校に行ったあと、早めにおいとまして家族でささやかなクリスマスの食卓を囲みました。
子どもたちは中1と小5のお兄ちゃんになり、小さな頃と比べたらクリスマスのウキウキ感は薄くなっているように思います。
そして迎えたクリスマスの朝。
今年から中学生になった長男は、サンタさんからのプレゼントは卒業しました。
次男はというと、やはりプレゼントが楽しみな様子。ガバッと朝起きると思いきや、やおらプレゼントを開けて確認すると不機嫌になりました。
「サンタさんは僕の欲しいものくれんかった。プラモデルくれるら言うて、やっぱりサンタはママやったがや」
そう長男にこぼしていたそうで、薄々サンタの正体に気付きつつあった次男の疑問に、私は自ら確信を与えてしまったようです。いやほらね、今年はサンタさんにお手紙書いてくれてなかったやんか、ほいたらサンタさんもわからんわね、と母サンタは心のなかで苦しい言い訳を繰り返すのでした。
2014年のクリスマスは、子どもの成長とともに母としてはちょっと寂しいクリスマスになってしまいました。
まあ、それもしゃあないかな。
ここで、今から7年前のクリスマス前に私が綴った文章を引用します。
当時、私は小さな子ども二人を抱えての再就職の難しさに直面し、もがいている最中だったことを申し添えます。
【07/12/23(Sun)】優しいお願い
大波乱の有馬記念に夫が肩を落とす今日、2007年12月23日。
お楽しみのクリスマスがいよいよ目前に迫ってきたため、
子どもたちは普段よりも、聞き分けがいいような気もします。
そして、ここのところ、
私は子どもたちに個別にそれとなく
「サンタさんにお願いしたいプレゼントは何?」とリサーチを続けておりました。
マイペースな4歳の次男は、その質問に
欲しいおもちゃの数々を屈託なく挙げてくれます。
「かいじゅう」「かいじゅうのずかん」「どらごんぼーるのげーむ」
欲しいものは日替わりで変わります。なかなか子どもらしいではありませんか。
かたや、その次男とはうってかわって、周囲の空気を気にする性格の6歳の長男は、
手を替え品を替え欲しいものを聞いても、なかなか口を割ってくれません。
「あわてんぼうのサンタさんに世界地図をもろうたき、サンタさんにお願いするものはない」
(私の両親…つまりじいちゃんばあちゃんが、ずいぶん早く、サンタさんからの
プレゼントだと言って、彼の欲しがっていた世界地図を渡していたのでした)
そう言ってなかなか欲しいおもちゃを話してくれない長男。
ある夜、布団に入った彼は、ようやく、小さな声でサンタさんへお願いするものを教えてくれました。
「あのねえ、Nねえ、紙のお金をいっぱいくださいってサンタさんにお願いする」
予想だにしていなかったそのお願いに、私は思わず動きが止まりました。
彼は続けます。
「そんでねえ、サンタさんに紙のお金をもろうたらねえ、パパとママにあげるが」
ほんのこの前まで、なかなか思うように仕事が決まらなかった母を、
一番近くで見ていた長男ならではのお願い。
さすがにちょっと、グッときました。
「ママはお仕事が決まって、お給料ももらえるようになったき、
パパとママのことはえいがで。Nの欲しいものをお願いして」
次の夜、長男は「Nはやっぱり怪獣とウルトラマンが欲しい」と
本当に欲しいものを教えてくれました。
小さなハートからのけなげな思いやり。
サンタさん、こんなにかわいい子どもたちを私たちのところに連れてきてくれてありがとう、母はそう思うのです。