こちらのレポート、(1)からだいぶ時間が経過してしまいました。この間、ここ高知では歴史的な豪雨にみまわれており、県下の8月の降水量はなんと2,000mmを超えるところもあるほど。安岡重機さんがある安芸市でも、集中豪雨に台風の上陸に伴う河川の増水などが合わさって、大変な被害を受けられているところがたくさんあります。
安岡重機さんの持つ最終処分場のある安芸市伊尾木川添いも、土砂崩れや河川の増水の被害は深刻だそうです。8月最初に伺った時は静かな佇まいを見せていた、安岡重機さん経営の民宿「四季楽庵」は床上浸水。いまなお復旧に向けて懸命に作業をなさっている状態です。
その四季楽庵でも、一般的に使うために終わりを迎えていると思われる「モノ」に、新たな使い道を与えているのです。古い、使えないと思われるモノがまだまだ現役でいられる場としての場所。それは四季楽庵に限らず安岡重機さんのそこここに見られる取り組みであり、「もったいない精神を経営に生かす」が具現化された様子そのものです。
驚くべき発想の転換はそこかしこに。立て替えで使わなくなった銀行のカウンターに使われていた大理石の板は、四季楽庵のお風呂の床材に場所を変えて活用されていたり、最終処分場の入り口にあるヘルメット置き場は、解体される前の遊技場の入り口にあったガラスの風除室を転用したものであったり。それらが、ぴかぴかの新品からは決して感じられない、懐かしみを併せ持った存在感を醸し出しており、あたりは何とも落ち着いたいい雰囲気なのです。このように使い道をアレンジする、安岡さんの頭の柔らかさには恐れ入りました。
訪問当初は「木質バイオマスって難しそう!」と若干構えていたきらいもあるのですが、木質バイオマスですら、循環型で資源をどのように活用するかに真っ向から取り組まれているのものであることに気づいたら、「もったいないきねえ」と繰り返す安岡さんのもつほんわかとしたお人柄の延長のような気すらしてきて、工場をでる時にはゆったり満たされた気分になっていたのでした。
今回の訪問では、安岡重機さんの取り組みが目から鱗すぎて、お話を伺うのに夢中になり、写真を取り忘れたのが残念でした。また秋口にぜひお伺いしようと勝手に思っていて、その時は紅葉の山々の中に居るモノたちの表情と会えるのを楽しみにしています。
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